国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会

国際P2M学会 会長挨拶

「学会設立のご報告とお礼のご挨拶」

秋涼の候、皆様には益々ご活躍のことと拝察いたします。
去る10月30日に霞ヶ関ビルにて「国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会」(国際P2M学会)設立発起人総会と設立総会が開催され、本学会は正式に承認され誕生いたしました。
ここにいたるまでの皆様の多大なご支援に感謝申し上げ、ご報告させていただきます。

私は長年にわたり、東京大学で化学工学科の教授としてエネルギーや環境の領域で研究や教育に携わって参りましたが、現在は新潟産業大学の学長として、わが国の次世代を担う人材育成に携わっております。経済のグローバル化が進展し、さらにBRICs諸国が急速に台頭し、世界的な規模で競争が行われる中で、わが国は高コスト構造、少子化、学力低下などの諸問題を抱え、新しい産業創生や競争力の強化の課題に直面いたしております。地球規模での温暖化が深刻さを増し、資源獲得競争が熾烈となり、社会不安が浮き彫りになっています。

講演でも申し上げましたが、ブルントラント委員会により提唱された「持続的発展」の考え方は、経済発展と環境保全を地域、企業、市民のレベルで具体化してきく姿勢や努力の基本理念です。次世代人材の育成は、この理念を如何に社会や組織のなかで具現化するか、如何に体系的に教育できるかに懸かっています。

これまでも、社会と技術に関連した複雑で重要な問題への取組みは、異なる領域における専門家の知識交流による「学際性」の必要性は強調されてきました。しかし、京都議定書の目標達成が危ぶまれるように、知識交流や問題意識だけでは成果に結実させることは困難なことは明白です。

多数の挑戦努力を分散させることなく全体視点で調和させ、評価奨励して相乗的な価値をだす「統合性」視点が極めて大切な視点です。

さらに、困難でリスクの高い挑戦の努力成果を確実にするためには、経験や知見の有効利用が「実現性」に重要です。わが国固有の風土から産まれた多様な技術システムやビジネスモデルにおいて得られた「プロジェクトマネジメント」の実務知見を活用するために、知識形式化をすることは極めて大切です。また、「プログラムマネジメント」という「統合性」のあるコンセプトをさらに充実するために、複雑な問題解決の発想、知識、手法を体系化する研究も欠かせません。幸いわが国が発信したP2Mは国際的にも認知されており、独創的な研究成果を積み上げることによって、「知の国際標準」に向けてリーダーシップを発揮できるものと考えております。

皆様と共にこの使命達成に活動を着実に進めていきたいと思います。

学会設立にご支援いただきました各位に、学会を代表して謝意を述べ、今後の学会活動にますますのご協力をよろしくお願い申し上げます。

平成17年11月8日  会長 吉田邦夫

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